──櫻坂46として初めてのツアーが始まる前に、山下さんの中でツアーが終わる頃にはこうなれていたらいいなという目標はありましたか？

山下：ツアーが終わる頃には、精神的に強くなれていたらいいなと思いながら活動していました。私はお披露目される前はほぼ毎日泣いていて、メンバーの前でもスタッフさんの前でもすぐ泣く子と思われていたんじゃないかと。でも、お披露目されて以降は弱くて泣くことは一回もなくて。自分の中で決めたことだったので、それを貫くことができたのは精神的にも強くなれたんじゃないかと思っています。

──ツアーに向けて、準備段階から大変なことがたくさんあったと思いますが、そこでも折れることなくがむしゃらに向き合っていったと。

山下：試練を与えていただけるってことは、三期生に対して期待していただいている表れなので、その期待を裏切らないように、期待以上の結果を出したくて。そうすれば、次にまた新しい試練をいただけると思うので、とにかく頑張るしかないと思って頑張りました。

──リハーサル期間からツアー本番まで、ここまで先輩たちと一緒に活動することも初めてだったと思います。先輩はもちろん、同期からもたくさん刺激を受けたのではないでしょうか？

山下：三期生はレッスン中、ダンスに集中してしまって歌が疎かになってしまうことがあって。よくダンスの先生に注意されたんですけど、先輩方のリハーサルを初めて見たときに、何曲も通してパフォーマンスしていても歌声が小さくなることがまったくなくて。どんなときでも手を抜くことなく、常に全力で臨んでいるからこそここまで成功して、あんなにカッコよくいられるんだということがすごく刺激になりました。

──三期生にとっては3月の『おもてなし会』以来のステージでしたが、「夏の近道」含め過去に披露した楽曲をツアーで再びパフォーマンスする上で、どういったところを頑張りましたか？

山下：今回のツアーでは新たに「Dead end」をやらせていただいたんですが、先輩の大事な曲なので中途半端にクオリティを落としたくなくて。三期生のせいで台無しになってしまうことだけは避けたかったので、1曲1曲を大切に、丁寧に歌い踊ることを意識しました。あと、Buddiesの皆さんの声が合わさって初めて完成する曲でもあるので、三期生のフレッシュさを皆さんに全力で届けたら、きっとたくさん声を出してくださるんじゃないかと思って。自分たちで煽りも追加して、ファンの皆さんの目をちゃんと見て煽るようにしました。

──しかも、「Dead end」はセンターステージでパフォーマンスしていたので、お客さんとの距離もだいぶ近かったですよね。

山下：メインステージとは距離感が全然違いました。実は私は結構緊張するタイプで、目が合ってしまうと思って以前は客席から視線を外したり、ちょっとだけ違う方向を見てしまっていたんです（笑）。でも、ツアーで公演を重ねるごとに近くのBuddiesの方を見ることができるようになって、大阪公演では全部の席の方をばっちり見れたと思います。

──ツアー期間を通じて、先輩ともより仲良くなれたのではないでしょうか。

山下：はい。福岡公演のときに、楽屋で席の隣が上村莉菜さんで、上村さんが三期生に囲まれる感じだったんです。でも、私にも、ほかの三期生にもすごく優しく接してくださって、リハーサルのときも三期生の並びに上村さんが混じっていることまであるくらい、本当に可愛がっていただきました。それこそ、福岡公演の空き時間には一緒にお昼寝したぐらい、一緒にいて安心できる存在です。

──各地のケータリングで、特に美味しかった食べものはありますか？

山下：私はラーメンが好きなので、福岡のShinShinがすごく楽しみで。美味しかったんですけど、予想してなかった鯛茶漬けが本当に美味しすぎました。ちょっとごはんを少なめにしたのを後悔したぐらい、美味しかったです（笑）。

──では、このツアーを終えた今、新たに見つけられた目標や課題はありますか？

山下：三期生はまだまだ知名度が足りないと思っていて、大阪公演が終わったあともみんなで「どうしたらもっと知ってもらえるんだろう？」と話していました。最近はグループとしてTikTokを始めたり、新しいYouTubeチャンネルも開設したので、そういうコンテンツを積極的に使って、新しいことにチャレンジしていきたいです。